ジュニア指導者の環境整備

「子どもの心身の安定や発達」のために活動している指導者への環境整備

 教職員の働き方改革の中で、中学校の運動部の地域移行に関する検討会議により、部活動は学校教育の一環として教育課程との関連を図り、生徒の自主的・自発的な参加により行われるものであり、スポーツや芸術文化等に親しませ、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養等、学校教育が目指す資質・能力の育成に資するものでなければならないと定義されました。

 中学校の部活動を行うときに、特に次の点を踏まえ、適切な部活動体制を推進することとされました。

 1 部活動は、生徒の自主的・自発的な参加により行われるものであり、参加を義務付けたり、活動を強制したりしないように、留意すること。

 2 大会で勝つことやコンクール等の上位入賞のみを重視し、過重な練習を強いることがないよう、生徒の健康面やスポーツ医・科学の観点を踏まえた指導を行うとともに、体罰や生徒の人格を傷つける言動等の根絶を図ること。

 3 過度の練習が生徒の心身に負担を与え、部活動以外の様々な活動に参加する機会を奪うことがないように配慮すること。

 以上の3点は、「自主性や主体性のないもの」「指示待ち、こなすだけの練習」「厳しいきまり」「恣意的な組み合わせ」「失敗への恐れ」「与えられた目標」「未来ビジョンの欠乏」など、今までのただただ勝つため勝利至上主義や顧問の評価や高校入試における学校長推薦のためのブラック部活動からの脱却を示したものです。

 当法人はこの提言を踏まえて、○地域に移行や生徒の自主的・自発的な参加や定義から考察すると、今までの学校対抗は必要がなく、あくまでも生徒つまり個人が主体です。個人が主体であれば、将来的にはアンダーの競技が主になること○土日祝日は教職員は休日になり、それ以外の外部指導者において指導などがなされるので、その指導者への指導に見合った活動の場や報酬等が必要になること。○その指導者の経営保障ができる環境を早急につくること。なぜそうなのかは、今あるスポ少の立ち位置が不明確です。指導者への報酬や指導者側への保証はなされていません。また、パワハラなどの責任についてもスポ少単位です。これでは指導する側の負担が大であり、存在意義がありません。

 以上の考察から、部活動を子どものために取り戻すことが必要になります。つまり、指導方針は、相手に勝つためのものではなく、子どもたちそれぞれに合った技術指導になります。当然ながら、子どもたちが昨日より今日、今日より明日、日々上手くなっている実感が保持できる技術指導が求められます。今までの学校の顧問やコーチのような画一的な指導や型の試合方法ではないのです。

 勝利至上主義や顧問や大人のためでないまた学校対抗ではない、当法人が推進する「子どもの心身の安定や発達」のために活動することや二人以上の複数で行うスポーツにおいても、身体性発揮活動における「個人の尊厳と権利」を理解できる指導と指導者が必要不可欠です。そして、そのようなスポーツの試合経験をたくさんできるような環境が必要です。当法人以外の外部指導者と連携し、部活動の環境を整備していくものです。